投資・金融

1通のメールから口座を奪われた日

編集部2026/3/30

被害の種類

証券口座乗っ取り+自動操縦

被害額

500〜1000万円

被害時期

2025年

夜、スマホに1通のメールが届いた。 件名は「【重要】セキュリティ設定のご確認」 差出人は普段使っている証券会社。ロゴもレイアウトも、見慣れた画面と同じだった。 「最近、不正アクセスが増えています」 そんな一文に少しだけ不安を感じて、そのままリンクを開いた。表示されたのはログイン画面。 何も考えず、IDとパスワードを入力する。 ワンタイムパスワードも求められ、そのまま入力した。 ログインは通らなかった。「エラーかな」と思い、その日はそこでやめた。 翌朝。通勤電車の中でアプリを開くと、違和感があった。保有していた銘柄の一覧が、見覚えのないものに変わっている。 前日まで持っていた株は、すべて消えていた。代わりに、知らない会社の株が大量に並んでいる。 取得単価はバラバラ。しかも、どれも短時間で買われた形跡だった。 履歴を遡る。深夜2時台。ログイン履歴が残っていた。自分が触っていない時間。 その直後、保有株がすべて成行で売却され、数分のうちに別の銘柄が連続で購入されている。 慌てて証券会社に電話をかける。 「昨夜、不正アクセスの可能性があります」 そう言われた時点で、何が起きたのか理解した。 売られた株の代金で買われていた銘柄は、その日の寄り付き直後に急落していた。 チャートは、誰かが一気に買い上げて、すぐに売り抜けた形。 自分の口座は、その“買い上げ”に使われていた。 知らない間に、他人の利益のための資金として。 2025年以降、この手口は急増している。 いわゆる、 乗っ取り+相場操縦(ハック&パンプ)と呼ばれる手法だった。 その件数なんと報告されているだけで、1万件以上に拡大している。 メールを開く時は、細心の注意をしよう。

乗っ取り相場操縦フィッシングメール

※ 各種相談事例・報告を基に編集部が再構成した事例です。