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夜、スマホに1通のメールが届いた。 件名は「【重要】セキュリティ設定のご確認」 差出人は普段使っている証券会社。ロゴもレイアウトも、見慣れた画面と同じだった。 「最近、不正アクセスが増えています」 そんな一文に少しだけ不安を感じて、そのままリンクを開いた。表示されたのはログイン画面。 何も考えず、IDとパスワードを入力する。 ワンタイムパスワードも求められ、そのまま入力した。 ログインは通らなかった。「エラーかな」と思い、その日はそこでやめた。 翌朝。通勤電車の中でアプリを開くと、違和感があった。保有していた銘柄の一覧が、見覚えのないものに変わっている。 前日まで持っていた株は、すべて消えていた。代わりに、知らない会社の株が大量に並んでいる。 取得単価はバラバラ。しかも、どれも短時間で買われた形跡だった。 履歴を遡る。深夜2時台。ログイン履歴が残っていた。自分が触っていない時間。 その直後、保有株がすべて成行で売却され、数分のうちに別の銘柄が連続で購入されている。 慌てて証券会社に電話をかける。 「昨夜、不正アクセスの可能性があります」 そう言われた時点で、何が起きたのか理解した。 売られた株の代金で買われていた銘柄は、その日の寄り付き直後に急落していた。 チャートは、誰かが一気に買い上げて、すぐに売り抜けた形。 自分の口座は、その“買い上げ”に使われていた。 知らない間に、他人の利益のための資金として。 2025年以降、この手口は急増している。 いわゆる、 乗っ取り+相場操縦(ハック&パンプ)と呼ばれる手法だった。 その件数なんと報告されているだけで、1万件以上に拡大している。 メールを開く時は、細心の注意をしよう。

編集部2026/3/30

大阪で就労継続支援A型事業所を展開していた 絆ホールディングス。 障がい者に働く場を提供する代わりに、事業所は国から給付金を受け取る仕組みで運営されていた。 問題となったのは、その給付金の取り方だった。 まず、グループ内で複数の事業所を展開する。利用者を雇用し、一定期間働いた実績を作る。 ここまでは通常の運営に見える。 しかしその後、同じ利用者をグループ内の別事業所へ移す。そして再び雇用し、同様の支援実績を積み上げる。 この“移動”を繰り返すことで、 • 新規雇用に伴う加算 • 各種支援加算 を何度も受け取る構造が成立していたとみられている。 さらに、 • 実際の業務実態と乖離した支援内容 • 形式的な就労実績の積み上げ なども指摘された。 つまり、同じ利用者を使い回しながら、給付金だけを積み上げていく構造が疑われた。 この結果、給付金は積み上がり、総額はなんと150億円規模に達したとされる。 大阪市はこれらを問題視し、不正請求と認定する方針を示した。 本来、制度は支援のために設計されている。 しかし、今回の返還請求により、その皺寄せは現場で就労する労働者に降りかかることとなった。

編集部2026/3/29

ある日、札幌在住のAさんの自宅に電話がかかってきた。 「インターネット料金が安くなります」 そう説明され、今よりもお得になると言われる。 話を聞くと、手続きも簡単で、今使っている回線のまま料金だけが下がるような説明だった。 Aさんは特に怪しいとは思わず、案内に従って手続きを進めてしまった。 数日後、突然、自宅に機器と書類が届く。中身はモバイルWi-Fi端末と契約書。自分では申し込んだ覚えのない内容だった。 そのまま料金の請求も始まる。不審に思ったAさんは、解約やクーリング・オフを申し出る。 しかし、事業者はこれに応じない。 「契約は成立している」「解約はできない」 強い口調で対応され、手続きは進まない。 こうした相談が全国で相次いでいた。調査の結果、合同会社フォーカス が、 • 電話で勧誘 • 消費者を困惑させるような対応 • クーリング・オフを妨げる行為 を行っていたことが確認された。 「安くなる」という一言から始まった契約が、 気づいたときには解約できない状態になっていた。

編集部2026/3/27

ある女性(20代)は、SNS広告で見つけたエステサロンに興味を持ちます。 そこには、こう書かれていました。 「今だけ70%OFF」 「クーポン期限内の申込で特別価格」 期間限定の強調表示に惹かれ、「今申し込まないと損をする」と感じた女性は、その日のうちに予約を行いました。 来店後、スタッフからは丁寧な説明を受け、「この価格で受けられるのは今だけ」と改めて強調されます。 迷いながらも、「今決めないとこの価格では受けられない」と思い込み、契約に至りました。 しかし後日、知人が同じ店舗を利用した際、すでにクーポンの期限が過ぎていたにもかかわらず、同じ割引価格でサービスを受けていることを知ります。 つまり、 • 「期限内だけの特別価格」と表示されていたにも関わらず • 実際には期限後でも同価格で提供されていた という実態があったのです。 こうした表示は、消費者に「今申し込まなければ損をする」と思わせ、冷静な判断を妨げる可能性があります。 消費者庁も、このような「期間限定」を強調した表示について注意喚起を行っています。

編集部2026/3/27

2023年、都内の会社員Pさん(30代)は、マッチングアプリで知り合った相手と連絡を取り始めた。 相手は海外在住を名乗り、日常的なやり取りを重ねて信頼関係を築いていった。 数週間後、「自分は投資で安定収入がある」と話題が変わる。 最初は軽い情報共有だったが、やがて「少額から一緒にやってみない?」と提案された。 紹介されたのは、見た目が本物そっくりの投資サイト。 少額(10万円)を入金すると、数日で利益が出たように表示された。 これに安心したPさんは、「もっと増やせる」という言葉を信じ、最終的に約300万円を送金。 しかし出金しようとすると、手数料や税金などの名目で追加送金を求められる。 不審に思い調べたところ、サイトは偽装されたもので、相手とも連絡が取れなくなった。 この手口はロマンス詐欺×投資詐欺として世界的に増加しており、警察庁も注意喚起を強めている。 Pさんは振り返る。 「投資の話ではなく、“信頼関係”から入られたのが決定的だった」

編集部2026/3/26

主婦のOさん(30代)は「在宅で月30万円」という広告から転売スクールに興味を持った。 無料セミナーでは、 • 「初心者でもすぐ利益」 • 「仕入れ先は特別ルート」 と説明された。 その後提示されたのは約50万円のスクール費用。 「初月で回収できる」と強く背中を押され、契約した。 スクール開始後、指示されたのは • フリマアプリで売れ筋商品を探す • まとめて仕入れる • 値下げしながら回転させる という一般的な転売手法だった。 問題は、“特別ルート”が存在しなかったことと、 仕入れ判断が曖昧なまま在庫を増やしてしまった点だった。 結果として、 • 売れ残り在庫が増加 • 保管スペースの圧迫 • 資金繰りの悪化 が起き、Oさんは半年で撤退。損失は約80万円にのぼった。 同様の相談は国民生活センターにも多く、「簡単に稼げる副業」をうたう勧誘への注意喚起が出されている。 Oさんは語る。 「ノウハウより“期待値の設計”が甘かった」

編集部2026/3/25

2020年、地方在住の会社員Nさん(20代)は、SNSで「クローズドな環境でしか手に入らないビジネス情報」という発信を見つけた。 投稿者は「外では言えないノウハウ」「本気の人だけ」と繰り返し、限定性を強調していた。 参加費は月額1万円。最初は「勉強代」として納得できる金額だった。 サロン内では日々、 • 成功報告 • メンバー同士の称賛 • 「継続こそ価値」というメッセージ が流れ、外部との比較をしにくい空気が形成されていた。 数ヶ月後、「さらに上位の限定コミュニティ」が案内される。 そこでは「より稼げる案件」や「裏のノウハウ」が共有されるとされ、参加費は一括30万円。 Nさんは「ここでやめたら機会損失になる」と感じ、参加を決断。 しかし実態は、 • 既に公開されている情報の再構成 • 成功事例の強調 • 明確な収益導線の不在 で、期待していた“差分”はほとんどなかった。 その後、解約トラブルや返金を巡る相談が各地で発生。 消費者庁も「オンラインサロン・情報商材」に関する注意喚起を継続している。 Nさんは振り返る。 「情報の価値より、“閉じた環境にいる安心感”にお金を払っていた」

編集部2026/3/25

2018年、会社員のMさん(30代)は、知人から「安定した不労所得がある」と紹介された。 内容は、海外のマイニング(仮想通貨採掘)事業に出資し、その収益を分配するというものだった。 説明では、 • 世界中にマイニング設備がある • 日々の採掘量に応じて配当が入る • 長期的に価格も上昇する とされていた。 最低投資額は約50万円。 Mさんは最初に参加した後、「上位プランの方が効率がいい」と勧められ、最終的に約300万円を投入した。 当初は「ダッシュボード上」で利益が増えているように見えた。 しかし、これはあくまで画面上の表示であり、実際に自由に引き出せる資金は限られていた。 さらに、「紹介ボーナス」の存在から、投資と勧誘が一体化していた。 2019年、アメリカ当局が関係者を起訴。 未登録証券の販売や詐欺の疑いが指摘され、プロジェクトの実態が問題視された。 その後、運営は事実上崩壊。 Mさんが回収できたのは一部のみで、 「“仕組みがよく分からないけど儲かる”に乗ってしまった」と語る。

編集部2026/3/25

都内の専門学生だったLさん(当時19歳)は、Instagramで「スマホ1台で月収100万円」という投稿を見つけた。 投稿者は同年代ながら高級ホテルやブランド品を背景に、「努力よりも仕組み」「誰でも再現可能」と発信していた。 興味を持ったLさんがDMを送ると、「無料でロードマップを教える」と言われ、Zoom面談に誘導された。 面談では、 • 「今のままだと将来は厳しい」 • 「でもこのビジネスなら逆転できる」 といった不安と希望を同時に刺激する説明が続いた。 最初に提示されたのは「無料コミュニティ」だったが、数日後に「本気の人だけに案内している」として約70万円のスクールを提案される。 支払いについて迷っていると、「分割やカードで大丈夫」「みんな最初は不安だけど回収している」と背中を押された。 Lさんは学生ローンとクレジットで契約した。 しかし、実際に提供された内容はPDF教材、既存の情報のまとめ、「まずはSNSで発信しましょう」という抽象的な指示が中心で、具体的な収益化の再現性は低かった。 さらに運営側からは、「まずは同じスクールを紹介すれば収益化できる」と指示され、結果的に“同じ構造を広げる側”になることを求められた。 Lさんは3ヶ月後に活動をやめたが、借金だけが残った。 同様の相談は国民生活センターにも多数寄せられており、2022年以降「SNS副業トラブル」は急増分野として注意喚起が出されている。 Lさんはこう振り返る。 「内容よりも、“稼いでいる風の演出”に判断を持っていかれていた」

編集部2026/3/25

2000年代半ば、地方に住む50代のBさんは、「元本保証で年利36%」という説明を受けた。説明会では、独自通貨「円天」を使った新しい経済圏が広がると強調されていた。 Bさんが最初に投資したのは約300万円。 その後、「今が拡大期」「紹介すればさらに配当が増える」と勧められ、2006年頃までに総額1,000万円以上を預けることになった。 しかし、実際には配当は新規出資者の資金で賄われる構造が疑われ、2007年に問題が表面化。 出金停止が相次ぎ、被害が全国に広がった。 2009年、L&G事件として経営陣が詐欺罪で有罪判決を受けた。 Bさんの手元に残ったのは、ほとんど価値のない円天と、返還されない資金だけだった。

編集部2026/3/25
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